誰も知らない

特に意味のないことをつらつらと書くブログです。

二十歳の原点

今週のお題「人生に影響を与えた一冊」

この本に出会っていなかったら…という本は何冊かある。

伊坂幸太郎の「チルドレン」に出会っていなかったら、読書をする習慣なんて身につかなかった。

村上春樹作品に出会っていなかったらで本を読むだけで、何かを書きたいと切実に思うことなく生きていた。

様々な本を読んで良い影響、悪い影響をうけているわけだが、「人生に影響を与えた」本となると、高野悦子さんの「二十歳の原点」かな。

この本は、大学一年の冬に、仲の良い友人から誕生日プレゼントとしてもらった。

だがしかし、もらってから1年近く読むことはなかった。

当時、村上春樹作品に、どっぷりはまっていたこともあるし、表紙の高野悦子さんの写真が可愛くなかったことも影響しているのかもしれない…

もらってから1年後、ふと思い出し読んでみて、衝撃を受けた。

うまく説明できないので、詳しくは書かない(ぜひ読んで、直接感じてほしい!)。

簡単に言うと人生と真剣に向き合い、最終的に命を絶った自分と同い年の少女による真っ直ぐな告白に打ちのめされたのだ。

この本と出会うことによって、自分の人生について、あれこれと思いを巡らせるようになった。

きっとこの本を読まなかった方が、生きやすい人生を歩めた気がするが、それでも大学2年生という人生において最も自由で、ある意味では最も不自由な時期に読むことができてよかった。

おそらくこの本は、人生において心に刺さる年齢が非常に限定的だ。

若すぎては彼女の苦悩を共有することはできないし、彼女の年齢を越えてしまっては彼女の苦悩は生きていく上で煩わしいものでしかない。

きっと自分も社会人になってから読んでいたとしても、何も感じなかった気がする。

ぜひ、大学1,2年生に読んでもらいたい、そんな本。