誰も知らない

特に意味のないことをつらつらと書くブログです。

嘘と女性と独立器官

村上春樹の短編小説の中で、「すべての女性には、嘘をつくための特別な独立器官のようなものが生まれつき具わっている」という文章がでてくるのだけれど、これは自分も物心ついた時から確信していた。

「物心ついた時から」なんて書くくらいだから、それは男女関係をそれなりに経験値するようになる前からということだ。

当初は漠然と感じていただけだが、それはいつからか確信と言っても問題ないほど、自分でもの中では当然のこととして認識されることとなる。

こんなことを言うと女性陣から糾弾されること必至なので(普段から不用意な発言で女性を敵に回すことが多い)、このことについて誰かと意見を交換したことはないが、自分の他にも同じ考えを持っている人がいてほっとしている(実は同志はかなりいるのかもしれない)。

当然、男だって嘘をつく。

ただ、こちらの嘘は独立した嘘であることはない、全く種類の違うものなのだ。

私はこの独立器官の有無が、性差の最たるものではないかと思っている(これも実際に口にだしてしまった場合、袋叩きにされるだろう)。

性差としてよく言われるような子供を産む・産まないなどの違いは、みんながその違いがあることが理解・共有できる。

だが、独立器官の有無の男性が訴えたとしても、きっと女性には永遠に理解されない(嘘はあくまで独立器官は吐くのであって、そこに彼女たちの意識は介在していないのだから)。


こと独立器官の存在に気づいてしまってから(それはすなわちかなり幼い時から)、その人の内側に潜む独立器官に怯えて、女性とは常に一定の距離を置いてきた。

それでもそんな努力も虚しく、独立器官のつく嘘に傷つけられた回数は数えられない(そのうちの幾つかは、私の人生に大きく影響している)。

今回読んだ村上春樹の短編を読んだ女性たちは、この記述を見てどう思ったのだろうか?

ぜひ勇気を振り絞って聞いてみたいところだが、女性との一定の距離を置いてきたせいでそんなことを尋ねられる女友達がいないことが問題だ。